生体販売と繁殖について(1)生体販売と繁殖について(2)今回が最終回です。ちょっと長くてごめんなさーい。
でも、読んで下さると嬉しいです♪
先日、パピーミルもバックヤードブリーダーも「犬の健全性」については全く考慮していないと書きました。が、実は、日本で「ブリーダー」と名乗っている商業ブリーダーの大多数もこの「犬の健全性」を守る為の繁殖をしていないと私は思っています。
また、商業ブリーダーのほとんどは必要な淘汰も行ってはいませんし、繁殖した命への責任も負ってはいません。そうでなければ、これほどまでに純血種の遺伝病が蔓延する訳がないし、これほどまでに遺伝病で苦しむ飼い主さんも多い訳がないのです。
ほんとだよねー。
ちなみにこの子はラブラドールで禁忌とされるカラーのダッドリーイエロー。
そのせいか?子犬の時に12月の寒い中、公園に捨てられていました。
※ちなみに「必要な淘汰」とは繁殖に使ってはいけない犬を繁殖ラインから外し、不妊手術を行って家庭犬として終生飼育することを指します。繁殖屋がやっているような「処分」「遺棄」「放棄」をすることではありませんからね~。
それでは「犬の健全性」とは一体何でしょうか?
ざっくり簡単に言いますと「心身ともに健やかであること」ということになります。本当にざっくりですが^^;
「心」に関しては、極端に臆病であったり、極端に攻撃性が高い等といった事がない、それぞれの性質に沿った安定した状態を指します。
例えば、親犬が不安定な状態の犬だったとして、その親犬の元でともに過ごす子犬はどのような状態になるでしょう。不安定な親犬の元で育った子犬はその影響を受け、不安定な状態の子犬になるということは誰にでも想像が出来るのではないでしょうか。
情緒不安定のあまり親犬に攻撃され子犬は命を落とすこともあるかもしれませんし、育児放棄をする可能性だってあります。こういった容易に想像できる問題を避ける為にも繁殖する犬の「心」の状態は非常に大切だと思います。
また「身体」に関しては、遺伝病の因子を持たない個体であり、その他においても健康的な身体であることを指します。
ちなみに私の言っている健康的な身体はドッグショーなどで審査の基準となる「スタンダード」という意味ではありません。もちろん健全な繁殖は「犬種」を守る為にされるものですので、そのガイドラインはとても重要なものですが、一部の「スタンダード」はあまりにもその個体の特徴を誇張しすぎているものもあり、過度に守ろうとするが為にその犬の健康が阻害される事があります。
それでは本末転倒ですよね。
私の思う健康的な身体とは言うまでもなく、犬がその犬らしく生きる事が出来る身体を差します。
そーだそーだ!
「犬の健全性」を守る繁殖の為には、繁殖に向かない性格の犬はもちろん対象から外さなければなりませんし、繁殖する犬にいくつもの検査をしなければなりません。その検査には時間も掛かりますし、費用も掛かります。
また、何代にもわたってその血統を遡り直系先祖のみならずその兄弟姉妹などについても遺伝病の発症がないことを確認しなければなりません。その為には、血統をたどることが必要となります。
しかし、多くの繁殖屋は血統書を偽造しているので、本当の血統をたどることは難しいと思われますし、ましてや何代も前の祖先の兄弟姉妹の情報を得ることなどはほとんど不可能でしょう。
仮に数代前までの血統をたどることが出来たとして、もし、その中に遺伝病を発症した個体がいたら、その犬自体は発症していなくともその犬は遺伝病の因子を受け継いでいる可能性があるので、当然に繁殖対象から外すべき、という結論になります。
つまり「犬の健全性」を守る繁殖をしようとすると、とてもとても商売にはならないのです。
以上のことからパピーミルやバックヤードブリーダーのみならず商業ブリーダーも「犬の健全性」を守る繁殖はしておらず、そういった犬がペットショップ等に大量に卸されているのです。
補足ですが、心身ともに異常がなくても隠れた問題を抱えている可能性のある繁殖に向かない犬というのがあります。
それはティーカッププードルや豆柴と呼ばれている矮小犬や奇形、ミスカラー、アレルギーなど遺伝子や代謝などの異常や欠落があるなど、たっくさんありますので、ちょっとやそっとかじっただけでは健全な繁殖は出来ません。
あと、奇形と一口に言っても、誰が見ても分かるものから、よく見ないと分からないもの、例えばおっぱいが対になってないというような生きていく上では特に支障のないものもあります。
だからねー、どんなにおうちのこがかわいくっても、ちゃんぴおんのこでも、うちのこはだいじょうぶなんてことはこのにほんじゅうさがしてもほんのひとにぎりだからどっぷりおべんきょうしないひとははんしょくはしないでねー。というおねがいをこめて。
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